
シングルアクション・ギアアクション・ダブルアクションの違い。
ポリッシャーの様々な種類
みなさんは一口にポリッシャーといっても色んな種類があることをご存知でしょうか?
大きいものや小さいもの、動き方(研磨方法)が一定なものから複雑なものまで、ポリッシャーでも様々です。
今日はこのポリッシャーの種類の中でも、特に動き方(研磨方法)の種類と違いについて解説していきます。
それではさっそく
磨き方=アクションは大きくわけて3種類
1.「シングルアクション」ポリッシャー

その名の通り、一定の場所を磨きつづけてくれる研磨タイプです。
僕のイメージは「熟練の磨き職人さんがこだわって使う上級者向きのポリッシャー」です。
どこが上級者向きなのかというと、やはり「研磨力の強さ・研磨スピードの速さ」です。
熟練の職人さんにもなると、ポリッシャーから手に伝わる微細な感覚で磨き面を確認しなくても仕上がりがわかります。
そんなこだわりのある人が下処理に使っているのが多いイメージです。
シングルアクションの動き方・研磨方法
手を動かさない限り、同じところを研磨し続けてくれる動き方です。
シンプルで研磨力が強い分、シングルアクションじゃないともの足りないという人もいます。
それではシングルアクションのメリット、デメリットを見ていきましょう。
メリット
● 研磨スピードが早いので、慣れていると作業効率が一番高い
● 研磨力が強いので、傷を消しやすい
● 磨き方が一定なので、思わぬところを磨いてしまう失敗が少ない
デメリット
● 一定の箇所を磨き続けるので、バフ目(磨き跡)がつきやすい
● 磨き面に熱がこもりやすいので、慣れていないと他に比べて失敗しやすい
● 慣れるまで研磨量の調整が難しく、磨きムラをつくりやすい

(これがバフ目です。ホログラムとも呼ばれます。)
シングルアクションまとめ
● シングルアクションは、どちらかというと上級者向き
● 作業になれた人であれば作業効率がもっとも高い
● ただし、慣れていないと扱いが難しく、比較的失敗しやすいアクション
では次は「ギアアクション」ポリッシャーの解説です。
「ギアアクション」ポリッシャー

下の図のように、歯車のような形にギザギザに動いて磨く研磨方法です。
なぜこのように動くかというと「熱を分散させながら磨き、バフ目をできるだけつけないようにするため」です。
ではなぜ熱を分散させないといけないのでしょうか?
それはPallittoの教科書のポリッシャー磨き編でも解説していますが、熱がこもると研磨面が熱くなり、塗装が熱でゆるんできてポリッシャーの回転力で剥がしてしまう危険があるからです。(いわゆる「塗装飛ばし」)
肝心の研磨力はというと、機種にもよりますが、シングルアクションとダブルアクション(後で説明します)の中間といったところでしょうか。
もちろん回転数を手元で調整できる機種もあるので、調整具合にもよります。
イメージとしては、中級者が使うタイプです。
ギアアクションの動き方・研磨方法

手を動かさなくても、研磨面が歯型・ギアのように移動しながら研磨してくれる動き方です。
細かく比較的大きな範囲を磨いてくれます。
シングルアクションに比べて研磨力はやや落ちますが、その分研磨面の熱こもりは防いでくれます。
しかし、歯型の形に動くので、ダブルアクションに比べると頂点部分はやはり熱がこもりやすくバフ目が残りやすくなっています。
それではギアアクションのメリット、デメリットを見ていきましょう。
メリット
● シングルアクションに比べて繊細な作業ができる
● シングルアクションに比べてバフ目がつきにくい
● シングルアクションに比べて塗装飛ばしをしにくい
デメリット
● シングルアクションに比べて研磨力がやや落ちるので、作業効率が少し落ちる
● ダブルアクションに比べて、磨き目の頂点部分に熱が熱がこもりやすい
● バフ面が複雑に動くので、シングルアクションに比べてミラーの下などボディの細かい部分を施工しにくい
ギアアクションまとめ
● ギアアクションは、中級者向き
● 作業になれた人であれば色んな傷消しに対応できる
● ただし、油断していると塗装飛ばしをしてしまう
それでは最後、ダブルアクションの説明にいきましょう。
「ダブルアクション」ポリッシャー

下の図のように、蓮(ハス)の花のようにバフが動いて磨く研磨方法です。
ギアアクションよりも、より大きく広範囲に動くようになります。
肝心の研磨力はというと、機種にもよりますが、シングルアクションとギアアクションに比べるとたしかに落ちますが、よりじっくり繊細に磨けるようになります。
またこちらも機種によって手元で回転数を調整できる機種もあるので、一概には研磨力が弱いとは言えません。
イメージとしては、初心〜中級者が使うタイプです。
しかし上級者の方でも、仕上げ用や丁寧に施工した箇所の場合に使っていることが多いです。
ダブルアクションの動き方・研磨方法
手を動かさなくても、研磨面がハスの花のように移動しながら研磨してくれる動き方です。
比較的大きな範囲をゆるやかに磨いてくれます。
シングル、ギアアクションに比べて研磨力はやや落ちますが、その分研磨面の熱こもりは最も防いでくれます。また、もっともバフ目が残りにくい機種だとも言えます。
それではダブルアクションのメリット、デメリットを見ていきましょう。
メリット
● シングル、ギアアクションに比べて繊細な作業ができる
● シングル、ギアクションに比べてバフ目がつきにくい
● シングル、ギアアクションに比べて塗装飛ばしをしにくい
デメリット
● シングル、ギアアクションに比べて作業効率が少し落ちる
● シングル、ギアアクションに比べてて研磨力がやや落ちる
● バフ面が複雑に動くので、シングルアクションに比べてミラーの下などボディの細かい部分を施工しにくい
ダブルアクションまとめ
● ダブルアクションは、初級〜中級者向き
● 作業になれた人であれば色んな傷消しに対応できる
● はじめての人でも比較的安全に、失敗せずに施工できる
とここまで3種類のアクションについて解説してきましたので、一度おさらいをしてみましょう。
シングル・ギア・ダブルアクションの比較まとめ

前回の記事(「失敗せずに、プロのクオリティを」Pallittoがレンタル用ポリッシャーに「P-150N」を選んだ3つの理由。)でも説明したように、
はじめてのポリッシャーを買おうと思っている人は、ダブルアクションが一番オススメです!
失敗しにくく、仕上がりも繊細で初めての人にも使いやすいからです!
もし、ダブルアクションポリッシャーを買おうと思っている人は、高い買い物なので、一度レンタルで使ってみるのもオススメです。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
ポリッシャー選びに悩んでいる人も、ポリッシャーを使ったことなくても興味がある人も、今回の記事で理解いただけたかと思います。
では次回は「ダブルアクションは研磨力が弱いから傷消しには向かない、は本当か?!」をお送りします。
これもネット界隈で色んな意見を述べている人がいる話題です。
この記事を読んでいただいた方の中にも、そう思っている方はいるだろうと思います。
次回はPallittoなりの答えを解説していきたいと思いますね。
それではみなさん、今日も愛車をパリッとさせていきましょう!