
シミシミのソリッドの黒色車でも、磨けば本当になんとかなるのか?
今回はヴァンガードのソリッドの黒を施工します。
出張磨きの依頼をいただいたので、前回のようにプロの時短技やワンポイントアドバイスなどを交えその様子をシェアしたいと思います。
前回の記事はこちら
それではさっそく!
まずは現状確認から


ぱっと見た状態でもかなりボディに小傷や汚れ、鉄粉がひどいのがわかります。
1年ほど青空駐車場に置きっ放しだったようです。

近くで確認してみてもこの通り。

シミやウォータースポット、デポジットがすごいですね。
このまま放置していたらクリアコートがとけて塗装部分が腐食してしまいます。

↑こんな風に。
これはシミではなく、デポジットによってクリアコートが腐食して貫通、塗装が酸化してきゅっと収縮してしまった状態です。
こうなるとポリッシャー磨きではどうにもなりません。
クリアコート・ペイント再塗装するしか対象法がなくなります。
デポジットの怖さやその対処法詳しい記事はこちらに書いてありますので読んでみてください。
というわけで、現状確認は終わりです。
カウンセリングシートに重点施工箇所を忘れないようにしっかり記載します。
次は洗車!
しっかり下処理洗車
花粉の多い時期なので、すみずみまで丁寧に洗車します。

今回はお客様が事前に洗車してくれていたので、水洗いのあとにすぐ鉄粉除去に移ります。

窓のキワなど、細かいホコリや花粉が入り込みやすいところも丁寧に。

窓のパッキン部分もこんなに汚れているのでキレイに洗い落とします。
次は鉄粉除去です。
鉄粉落としはプロの超必殺技で!
今回はプロの超必殺技と小技を使って時短&丁寧に仕上げていきます。

こいつと

これで。

これはポリッシャーに装着して使うタイプのトラップ粘土です。
面などの広範囲を磨くときはかなり重宝しています。

ただし、これを使う場合は注意が必要です。
ゴムのポリッシャーなのでかなりバフ目が入ります。
なので、そのあとに必ずウールバフとウレタンバフで仕上げ磨きをする時以外は使ってはいけません。
今回は2層磨きまでするので、時短も兼ねて使っています。
では面以外に細かいところはどうするか?
いつもの粘土の出番です。

今回はソリッドの黒なので、より丁寧に傷を入れずに粘土磨きをするので、水ではなく洗剤で滑りをよくしながら粘土を丁寧にかけて、細かい部分の鉄粉を除去していきます。
スポンジのスキマにトラップ粘土をはめて磨く、これがプロの小技!!

こんな風に。
ワンポイント
粘土かけで水ではなく洗剤でもキレイに汚れと鉄粉は落ちます。
その際はかならず、鉄粉が落ちてザラつきがなくなっているかを手で確認しながらしていってください。
黒だと鉄粉は目に見えにくいので。

鉄粉除去ができれば、水洗い洗車で全体をよく流していきます。
終わればしっかり全体を空拭きします。
次はマスキングテープでポリッシャー磨きの下準備をするので、水滴がテープに噛んで剥がれないよう念入りに空拭きしましょう。

ブロワーがあれば申し分ないですが、DIYだとなかなかありませんよね。
そんな時はしっかり空拭きしたあとに1時間(できれば2時間ほど)日陰で水が乾いて落ちきるのを待つのがベストです。
その後サッと全体を空拭きしなおせば、季節や天候にもよりますが水は落ちきります。
さて次は養生です。
養生

養生の目的は2つあります。
1.コンパウンドの粉がスキマに入らないようにテープで蓋をする。
2.ポリッシャーが当たってはいけないところに、当たらないようブロックしておく。
1はそのままです。
Pallittoで扱っているコンパウンドは水溶性なので、最後の洗車で落ちきりますが細かいスキマに入り込むと最後の仕上げ拭きが相当大変になり時間がかかってしまいます。
なので、時短のためにも養生は丁寧に時間をかけてもします。

2は、Pallittoの教科書に詳しく書いてありますが、樹脂やプラスチック部分、ガラス部分はポリッシャーがあたると傷が入ったり熱でとけたりしてしまうので、あらかじめ当たらないようにマスキングでブロックしてあげます。


ライト周りもポリッシャーが当たらないように養生します。
エンブレムはコンパウンドの粉がつまりやすいので、磨かなくてもいい状態の場合はしっかりフタをしてあげます。

全体がしっかり養生できたら、次はいよいよ磨きです。
今回はここまで!
次回はポリッシャー磨きから仕上げまでです。
それではみなさん、今日も愛車をパリッとさせましょう!